能は日本最古の音楽劇と言われ、筋立てをもつ演劇です。能の筋は謡という歌によって語られ、主役のシテとわき役のワキによって演じられます。歌によって進行する劇なのあで、日本版のミュージカルやオペラと言えます。役者は木でできた漆塗りの面をかぶって、錦織りの豪華な衣装を着用します。
まれに、お面をつけない役がありますが、顔を面に見立て面をつけているかのように演じ、顔の表情を出さないよう演技するのが能の特徴です。動きも歌舞伎のように派手ではなく、役者は感情を声に表現しません。能は人間がもつ陰を表現していますが、この神秘的な演技や単調な音楽が、脳の特徴である幽玄の奥深さや、美しさを表しています。
能の始まりは、庶民の間で行われていた歌舞音曲や、神へ祝いや祈りの儀式が、鎌倉時代から室町時代にかけて変化し能になったと言われています。表情のない人に対して、能面のような顔というのは、この能が由来です。
能は6メートル四方の、能舞台という専用の舞台で演じられます。能の舞台は、家のような形をしていますが、これは、もともと能は屋外で演じられる事が前提だった為です。 初めは庶民が楽しむ演劇でしたが、次第に能は武士の教科書的な役割になり、正しい発音や優雅な身のこなしを身につけるために、行われるよう変化しました。能には650年の歴史がありますが、少しずつ変化しながらシンプルで無駄のないものに変化してきました。